津村記久子さんの作品『アレグリアとは仕事はできない』の登場人物、トチノ先輩にサンドイッチを差し入れしたいと思いました。
報告書を製本する仕事をしている主人公ミノベの同僚、トチノ先輩は見た目が可愛らしく落ち着いていて、世話上手。頑張り屋さんだけど落ち着きのないミノベにはきっとキラキラと映っていたでしょう。
しかし、ある出来事をきっかけにミノベは気付きます。
―先輩の在り方。物事を悪しざまに言わない、焦らない、どんな時も他の社員の利益を優先させる、ということ。その深層にあった、何か呻きのようなものを、ミノベは聴いたような気がした。―(抜粋)
働いているのはみんな同じだけれど、うまく人に頼んだり、かわしたりできる人が得をして、押し付けられた人が損をしてしまう。
トチノ先輩はたぶん後者で、損をしているのをわかっていても、みんなの足元の掃除をしてあげるような心の優しい人。
彼女の呻きは誰にも届きませんでした。
このクロワッサンのサンドイッチをトチノ先輩に差し入れてくれる人がいれば良かったのになと思います。
そんなことがあったなら綺麗な巻き髪を揺らしながら、きっと素敵なお礼を言うでしょう。
やせているくせにものすごくよく食べる先輩へのエールは、小ぶりのスイーツよりも具だくさんのサンドイッチで送ってあげたい。
【レシピ】
<材料>クロワッサン、ベビーリーフ、卵1個、生ハム2枚、マーガリン少々、マヨネーズ少々
卵をスクランブルエッグにしておきます。
クロワッサンに切れ目を入れて、マーガリンを薄く塗り、ベビーリーフ、生ハム、スクランブルエッグの順に重ねます。一番上にマヨネーズをかけて完成です。
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連載【物語のつづきを食卓で】第4回:トチノ先輩への差し入れ『アレグリアとは仕事はできない』より
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